社会保険に関する解決策はあるのか?(健康保険)

コラム

年々負担の増す社会保険

給付の絞られていく社会保障

この先一体どれだけ負担してどれだけ給付を我慢しなければならないのでしょうか。全く先が見えません。

長期にわたり繰り返してきた問題は仮に解決するにしても同じ時間以上かけなければ解決はしないでしょう。

その解決策の一助になるかもしれない話

今回は、よく言われる不正受給や外国人問題とは別に負担と受給のバランスから考えてみたいと思います。


国民皆保険である日本

最初に厚生労働省のページを見てください。

我が国の医療保険について
我が国の医療保険についてについて紹介しています。

 

いろんなサイトで解説されていますので割愛しますが、年齢による区分けが2段階~74までと75~以降に分かれています。

~74までのグループは年齢によりさらに分かれていて65~74歳という区切りがあります。がここがなぜこの年齢で区切られてるかわかりませんでした。

というのも窓口で医療負担の割合が変わるのは高齢者側においては70~74・75~となるからです。

いずれの段階も保険料のほかに公費が投入されています。

ここで問題にされるのが年齢による仕事引退です。60~65にかけてどんどん引退していき健保組合等の保険料の会社負担のあった人達が国民健康保険に加入します。収入により保険料の負担割合が大きく変わります。いきおい全体の保険料収入の圧迫になります。それは結果的に公費投入の増大を招くという事です。

現在の政府の方針としては 引退後再雇用や他で働く人に何とか健康保険組合に入ってもらおうという考えになります。会社負担が引き出せますので。

また保険料は厚生労働省が決められますのでここ20年程度で本当に上がっています。2倍は言い過ぎかもしれませんがほぼ毎年上昇していると言っていい状態です。

また75~を支えるために、18兆円の予算のうち保険料収入が1割+下からの仕送り4割+公費5割で予算18兆円確保しています。


右の円グラフを見てください。事業主負担と公費とあります。これは基本的に患者負担含めて円グラフ全部国民負担と同意という事です。事業主は儲けの中から社会保険料負担を勘案して給料を決ますし、公費はもともと国民が支払った税金です。国債も現政府は国民が負債を支払うべきというスタンスです。

税金で持ってくれるからお得だという考えは持たない方がいいでしょう。結局不透明さが増すだけです。

 

左をみてみましょう。

青の国民皆保険はぜひ維持してほしいと思っています。そのため何をどうすればいいかなんですが、、、、

②、③:これは少し考えた方がいいかもしれません。質のいい医療を受けたいと思うことは誰しもそうです。ただ段階があることも事実でしょう。それは医療なのか?それは本当に必要なのか?それにより人は苦しさから解放されるのか?それにより人は幸せになるのか?といった法律から少し離れた視点が必要かもしれません。

よく言われる同調圧力の強い国、日本でそんなことしたら大変なことになる。といった意見もわかります。

ただ現状、法律と道徳が人の苦しさを生み、こんなはずではなかったのに。という状況になることもあるのではないかと思っています。

④は全くのまやかしですね。公費というものの正体は国民負担です。

 

問題点の根本

現在の問題の根本は当時の人口の中央値と平均寿命を標準とした制度設計と当時の標準的な治療内容からスタートしたことが挙げられると思っています。

 

人には感情がありますのでそのあたりを少し

この話は本当に難しくて、高齢者からしたら長生きしたことが悪いことなのか?我々だって頑張ってきたのに。といった意見が出ます。

そうではなくて、当時はだれも今の状況を考えていなくて、その時代時代の当時の人達だって誰しも(現役から高齢者まで)長生きすることが悪いなんて思っていないのです。

思っていないのに、何とかしようと思っていても、そのような意見が怖くて話合いが出来ません。

高齢者だって若者をどうでもいい。我々のために犠牲になるのが当たり前だなんて思っていないはずです。

現役もそうです。高齢者が長生きしたからなんて思っていません。

そりゃあ

現役は文句は言いますよ。保険料が高い。こんなんじゃ生活がままならない。この文句(批判)は高齢者ではなく政府のつけ焼き刃のような制度の運用に向けられたものです。

反対に高齢者もそうではないですか?こんな年になって保険料は取られるし医療費も取られるし年金も少ないし一体どうすればいいんだ。これは現役におまえ達が負担しないからこんなことになっているんだという意味ですか?違うでしょう。やはり政府のいつまでも改善しない制度に不満があるはずです。

日本人は本来「必要なら仕方がないよね。なんとか頑張ろうか。だって放っておけないもん。」といった世界的にも珍しい公共心の高い民族です。

どの世代も不都合をある程度受け入れ制度を変えていかなければ破綻が見えています。国民皆保険が破綻するのではありません。国民生活が破綻するのです。立派な制度があっても医療を受けることが困難になる時代が来るかもしれません。

私は嫌です。非難されても変化することを提案します。ただその変化には長い時間がかかるのです。何十年もかかってここまで来たものがすぐ変わるはずありません。長くかかるのです。その第一歩を踏み出せなければ国民生活が破綻するでしょう。

 

社会保険料は取り扱われる金額が巨額でさらに毎年のように制度の変更追加があります。その全貌はもはや見通すことは不可能です。

管理人の考えでは年金だけなら破綻はしないが健康保険を関係させると破綻に近づくと考えています。

 

健康保険の進む方向

制度の一本化

国保から共済まで大まかに4類型ある健康保険。これを一本化します。

スタートした当時は職種や立場により様々な困難や危険がありその分厚くしたものもありました。ですが現代ではどうでしょう。労働災害は労災保険の守備範囲です。企業に負担させる理由もなければ保険の種類で保険料を変える根拠はもはやないです。

長い時間がかかるでしょう。最初は企業分を減らしその分賃上げ、その分個人負担を増すことで実際の負担が見えるようにします。もちろん共済もです。長い目で見れば企業は労務の手間が減り、労働者も自分の働きがよく見えるようになります。徐々に差を減らし、それと同時か少し遅れるくらいで世代間の負担を均していきます。高齢者への仕送りは少なくしていき保険料の負担を抑えていきます。(高齢者は長い目で見れば保険料が増えることになります。これは現実には年金の最低受給額をその分増加させる+経過措置中は税金を入れることで、原則の同一負担を実現できると考えています)

基本的な考えとして、全員同じになれば余計な計算しなくて済みますし全体で考えれば手間と費用の消費具合も大幅に違うと思っています。その費用も含め高齢者の保険料負担の一助になります。(どんな保険も保険料から相当額の管理運営費を支出しています)上の図の複雑さが全部一つの四角になると思ってください。

再保険の導入

従来支払ってきた人でも予期せぬ事態が起こります。途中から困窮してしまえば保険料は払えません。通常支払う保険料に、そうですねイメージとして住宅ローンの団信のような保険を上乗せするのです。病気により、けがにより、老化により様々な状況があるでしょう。その際保険料を免除するのではなく団信で補うのです。もちろん審査は厳格にしなければならないでしょう。

またこれは回復可能かどうかにもよります。例えば障害年金に保険料分を上乗せ支給なども考えられそうですが、ここは一旦:原則は支払う。支払方法は再保険適用で、審査は厳格に適用要件設定としておきたいと思います。

 

負担の公平について

また保険料は定率化ではなく定額化が望ましいと考えています。あくまで原則は同一サービスには同一負担です。繰り返しますが払えない場合は別の施策が必要です。ここは免除ではないのです。免除規定の弊害はある基準に連動させて免除規定を作るとその基準を得た場合にそれが無料の切符となってしまいます。無料の切符を得るために必死に免除規定に収まる努力をする本末転倒が起こります。

 

基本部分とそれ以上の医療を分離

またそこまで給付することが公平なのか?といった議論も必要でしょう。効果70%で費用10の医療と効果90%で費用100の医療があれば制度の維持に寄与し全体の利益になるのどちらかといった議論も必要でしょう。

基本的な医療で基本的人権を守りそれ以上は民間の医療保険を拡充することが解決になるのではないかと思っています。

この部分はその人に生き方、生に対する考え方の現れる部分でしょう。意見は分かれると予想しますが、管理人は分離する考えです。

 

現状維持は医療であるかの議論の深化

内容にもよりますが、それは一体医療と呼べるのか?といった観点も必要です。

これは止めてしまえと言う意味ではなく、現状維持が目的なら他にやりようがあるのではないか?という事です。

中々表現が難しいですが、決まった緩和薬を処方してもらうのに高度な知識を持った医療者が必要なのか?といったことを考えなければなりません。

 


もちろんこれも長期にわたって少しずつ移行しなければなりません。

 

まとめ

サイト管理人の主張

・制度の一本化(長期計画)

・再保険(団信的な制度)の導入

・保険料の負担の定率制ではなく定額制の導入

・基本部分とそれ以上の医療を分離

(自動車保険の任意保険や歯科医療が想像しやすい制度)

・現状維持は医療であるかの議論の深化

 

結論

解決できる。

若しくは解決しなければ制度のみ生き残り国民生活が破綻する。


今日はここまで。ご覧いただき、ありがとうございました。

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