狂四郎2030
概要
今回は前々から未来を予測してるんじゃないかという漫画を1つ
徳弘雅也氏の狂四郎2030であります。
徳弘氏と言えば話題に上がるのはジャンプ誌上にて限界までの下ネタに挑んだジャングルの王者ターちゃんを描いた人物として名高い漫画家であります。
ですが
ココは狂四郎です。
ザックリとした物語は 高度に抑圧された未来。その中で抑圧の解放のために管理された夢を見る主人公と管理する側でありながら搾取され続ける女性の物語ですね。
抑圧社会の中で人々は欲望を夢の中で解消するような世の中が描かれています。大概の男性は黒い欲望を満たすための夢を見るわけです。
女性は夢をモニターしながら管理する役割です。
この狂四郎という男 政府機関の人間でいわゆる人斬り。殺伐とした現実を生きている男が見る夢は? 全く黒い欲望も出さずに剣の稽古に励む浪人の夢を見ています。
それをモニターしている女性は変わった人もいるもんだなーと思ってみているのですが、この女性も強い抑圧の中にいます。政府の要人の欲望を満たすための存在となっています。
いつしか 男の夢の中に自分も登場人物として入り込むようになります。
男は最初は夢の中の登場人物だと思っているのですが、さてどうなるのかといった物語。
徳弘氏 好きな漫画家です。
いずれも下ネタを挟みますが、現代の問題に中々の勢いで切り込みます。もっと評価されていい作家だと思います。
この徳弘氏、他の作品でも人の醜い部分をあぶりだすような作品が多いです。もっとも下ネタをかなりはさんできます。下ネタが無ければ違う意味で問題作になるかもしれません。
管理人コメント
これ最近のデジタル技術の進歩で現実になりそうですよね。
仮想現実やメタバースなんてほぼそのまんまです。
この先10年もしたら国の形は全くかわるかもしれません。どんどん進む高齢化、かさむ社会保障費、社会を維持するための重い負担と抑圧。
もしかしたら夢で抑圧を解消するような世の中がくるかもしれません。
そして一部の支配層は現実のリアルを楽しむ。
なんて世界が近づいてるかもしれません。
また物語が進むにつれて、どういう力で抑圧社会が始まったか?が明かされていきます。この部分も自分が意識していない危険な人の習性が描かれています。
興味深いのは、各種の法律で支配が強まっていくのだがこれがもう現代に通じる法案が何点か出てきます。
他にも現代と全く同様な物が表現されていたりとかなり興味深い作品。
そして徐々に物語は哲学的な要素も帯びていきます。
ぜひ読んでみてほしいです。
その際は、自分が未来人のつもりで、歴史書を読むような気待ちで読んでほしいと思います。
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